こんにちは!管理人のユキです。
最近よく東京へ出張するのですが、いつ行っても雨降ってますね…どうなってるんでしょう。
さて、今回取り上げるのは『ホステル』です。
基本情報
- 原題: Hostel
- 邦題: ホステル
- 上映時間: 93分
- 制作年: 2005年
- 制作国: アメリカ
- 監督: イーライ・ロス
- レーティング: R18+
- グロ度:警報(身体切断・流血・ほか拷問)
- エロ度:注意報(ヌード・性的描写)
レーティングからは読み取りにくい、エログロシーンの有無/過激度もお伝えします!
あらすじ
刺激を求めてバックパッカーをしながらヨーロッパを旅しているアメリカ人大学生のジョシュとパクストン。旅先で意気投合したアイスランド人のオリーを加えた3人は、東欧の田舎町にあるホステルで、男たちの求める快楽のすべてが手に入るという噂を耳にする。期待を胸に3人は噂のホステルに向かうが、そこで彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する恐怖だった。
映画.com
能天気に楽しむ若者が一人、また一人と姿を消し…
ストーリーや演出の分かりやすさや興行ウケしそうな展開というライトな要素と、キツめのゴア描写やアメリカ人の精神性批判といったヘビーな要素が同居する、なんとも一筋縄でいかない名作です。
ホラー映画ファンからの評価が高く、私も大好きでもう5回近く観ているかもしれません。
監督はかの有名なイーライ・ロス。
『グリーン・インフェルノ』『サクラメント 死の楽園』『クラウン』『サンクスギビング』などなど…私もこの人のホラーは大方鑑賞済みですが、やはり大外れが無いですよね。
ホラー映画初心者にはお勧めできませんが、
・安直なB級ホラー映画にはもう飽きた!
・面白いシリーズもののホラー映画を観たい!
という方には是非手に取っていただきたい作品です。
評価
レビューサイトの評価:59点


上記3サイトの評点を平均&100点満点に変換しています。
※RottenTomatoesの批評家スコアを除きます。
※2026/10/3時点の情報です!
私の評価:83点
- ホラー:24/30
- ストーリー:23/30
- 演技・演出:8/10
- キャラクター:7/10
- 独自性:8/10
- 加点:+3
- 減点:なし
感想
ホラー:24/30
とにかく不謹慎。悪趣味。
目をそむけたくなるような拷問描写はもちろんですが、大金を払えば人間を好きなように傷つけ殺すことができる、という設定がとても恐ろしい。
加えて、舞台が母国から離れた遠い異国、という設定がよかったです。
アメリカ人であるパクストンらへの敵意がうっすらと感じられ警察すら信用できない状況のなか、ルームメイトのお姉さんらの態度が徐々に冷たくなっていき、バーで異国語を話しながらこちらをあざ笑っているようなシーンは背筋がぞくっとしました。
やはり”安全圏からの隔絶”はホラー映画にとってマストで、それを舞台設定+周辺人物のふるまいで上手に作り出していたと感じました。
ただ、びっくり/ドキドキハラハラというような恐怖はいまいち。
オリーの首写真は少々驚いたものの、ほかは予想どおりの驚かせ方で余裕をもって鑑賞できました。
総じてじわじわきいてくるタイプの恐怖+嫌悪感に優れた作品という印象です。
ストーリー:23/30
まず、ジョッシュとパクストンが同時に就寝し、拘束された一人称の視点で暗転から明けるシーン。
完全にパクストンが捕まったと思いましたが、まさかのジョッシュ。
定石から考えてジョッシュが最後まで残る流れだろうと冒頭から予想していた分、大いに裏切られました。
また、買う側が買われる側に、という反転構造も興味深い。
前半の享楽的なSex三昧がよいフリになっており、後半の落差が際立ちます。
金を出して人の命を売買するなんてinsaneだ!と叫びたいところですが、つい数日前には金にものを言わせて快楽に溺れていた3人組にそのようなセリフを吐く権利はありません。
一方、エリートハンティングの会員が列車に登場して意味ありげな御託を並べたり、スロバキアの路上でばったり再会したり…と組織の存在を匂わせたいがための不自然な場面は気になりました。
そして終盤は救出や復讐といったカタルシスが多めに用意されており爽快ではあったものの、個人的な好みとしてはもう少し後味の悪さを残してほしかったです。
#まぁホステル2でパクストンは…
演技・演出:8/10
分かりやすく暗い/明るいBGMなど全体的に大味さ、露骨さが目立ちました。
ただ、拷問博物館のチケットをちぎる機械(?)や涎玉で足を滑らせて転んでしまうシーンなど、あほらしすぎて笑ってしまうような瞬間はちょっと好きでした。
また、恐怖を感じる演出としても優れたものがいくつか。
椅子に縛られたパクストンが逃れようと暴れるシーン、チェーンソーの音が鳴った瞬間に動きをピタッと止め…大きな効果音とともにカメラアングルが下から上へと動き出し怯えるパクストンの表情を映しだす。
最高にテンションが上がる本作屈指の演出でした。
加えて、逃走中のパクストンが死体となったジョッシュと目があい凍り付くシーン、ブッチャーの振り下ろす刃物が何かを切り落とすたびにアングルが切り替わり、緊迫した空気が痛いほど伝わってきました。
台車で死体に埋もれるパクストンを作業台の上からジョッシュが見下ろす構図は悲しくもどこかハッとする美しさがあり、宗教画のような荘厳さすらはらんでいたように感じました。
ほかにも、悲鳴をバックに拷問器具を定点アングルで映し続けるカットや、コンクリートに囲まれた地下室に声や刃物が触れ合う音が響くさまなど、間接的な恐怖演出も上手で引きこまれました。
キャラクター:7/10
アホ・まじめ・中間、と色分けのされたキャラクター。
登場する尺は短いながらも各々個性を放っており、前半の退屈しそうなフリパートにメリハリを与えてくれていたと感じました。
特にオリーは強烈で、家庭を放って単身で東欧まで買春にやってくるイかれた野郎であると同時に、周囲を楽しませるユーモアと愛嬌にあふれた友達としては100点の男。
底なしに明るいキャラだったがゆえに、退場時の生気のない写真がゾッとさせます。
独自性:8/10
ホステルにやってきた客をさらってサディスト御用達の拷問風俗へ売り飛ばす、という設定だけで超ユニーク。
資本主義/消費社会の象徴アメリカからやってきた旅行者と社会主義の名残のある東欧の片田舎、という大きなフレームがあるおかげで、ぶっ飛んだ設定であるにもかかわらずチープなB級映画として片づけられないほどの厚み/重みが感じられた点も稀有な魅力として評価しました。
加点(インパクト):+3
記憶に残るシーンがあれば、またはオチが綺麗であれば加点、というルールで設けています。
演出の項で挙げたシーンはもちろん、ほかにもアキレス腱(?)を切られて倒れこむシーン/三池監督がひょっこり出てくるシーン/悪ガキたちがエリートハンティングの会員の頭をぼこぼこに殴って殺すシーン…見どころ満載の一本でした。
映画『ホステル』ネタバレ考察
なぜ舞台は東欧スロバキアだったのか

なぜ舞台は東欧スロバキアだったのか。
本作のイーライ・ロスはとあるインタビュー記事において以下のように回答しています。
Why did you set the story in Slovakia?
https://www.pravda.sk/spravy/kultura/clanok/28536-exkluzivne-reziser-hostelu-eli-rothmoj-film-nie-je-tak-strasidelny-ako-bush?utm_source=chatgpt.com
I chose Slovakia because Americans have no idea it exists. I talked to a professor at Harvard about going to Prague and he didn’t know about the division of Czechoslovakia either. I don’t think my film is supposed to be a geographically educational piece, rather it points out American ignorance towards other cultures.
スロバキア語の記事を英語にGoogle翻訳したものですが、なんと「誰もよく知らない国だから」だそうです。
この映画のテーマとしてアメリカ人の異文化への無知およびそこから生まれる傲慢な態度への警鐘を掲げていたと同記事内でイーライ・ロス監督は語っています。
- アメリカ人
- 東欧=金で女を買う場所、という思考
- オランダ人=ゲイのエルフ族だ、等のステレオタイプ
- スロバキアでは戦争以来男が不足している、というタクシー運転手の発言を鵜呑みにしてしまう無知
- ”スロバキア”
- ひとつの工場で国全体のプラスティックを作っている、という資本主義の競争の対極にあるような産業構造
- 野放しになっている非行少年のグループ
- やけに古めかしい車/テレビ
たしかに、無知なアメリカ人が抱いているであろうステレオタイプ的な遠い東欧の後進国として”スロバキア”が描かれていることに気づきます。
そして、仲間と”スロバキア”で好き放題していたと思ったら、いつの間にか自分たちが「傲慢で欲にまみれた金持ち」に買われる側になっていた、という綺麗なしっぺ返しの構造…なんと痛々しく、恐ろしく、Educationalな映画なのでしょう。
ちなみに、そんな偏見の投影先として選ばれてしまったスロバキアが黙っているはずもなく…
Are you referring to the statement by the director of the Slovak Tourism Agency, Alžbeta Melicharová, that the film will harm tourism?
https://www.pravda.sk/spravy/kultura/clanok/28536-exkluzivne-reziser-hostelu-eli-rothmoj-film-nie-je-tak-strasidelny-ako-bush?utm_source=chatgpt.com
I have already apologized to her for that. But what is wonderful about it – it is a demonstration of national pride and the character of the people in Slovakia. You just draw a caricature of some countries and they already set fire to embassies. I filmed a one-sided view of Slovakia from an American and they offered me a study holiday for it.
(中略)
I warn you again that this is not reality!
ということで、スロバキア観光当局から懸念の意を表されたようです。
ただ、ちゃんと自国のことを知ってほしい、ということでイーライ・ロス監督をスロバキアまで招待したんだとか。
まさかそんな後日談があったとは。(器の大きい国でよかったっすね監督…)
ところで皆さん、この章の先頭に貼られた画像がスロバキアの国旗ではなくチェコの国旗であることに気がつきましたか?
続編『ホステル2』も超面白い!
ホラー映画の続編って大体つまらないんですけど、『ホステル2』は違います。
『ホステル』同様に”買われる側”を主人公として据えて物語は進んでいくのですが、加えて”買う側”の人間にもフォーカスを当てており、本作では描かれなかった”エリートハンティングクラブ”の内実にもメスを入れ、より骨太でサスペンスフルな作品になっています。
そのように物語としての見どころを増やしつつも、持ち味である悪趣味なゴア描写も一作目と同等かそれ以上にパワーアップしています。
『ホステル』に負けず劣らず大好きな作品ですので、いつか個別で記事を書くかもしれませんね。
U-NEXTで配信中とのことですので、ぜひ『ホステル』とあわせて一気見してください。
#『ホステル3』はつまらないです。
ちなみに、『ホステル2』の主演女優ローレン・ジャーマンさんはあの『テキサス・チェーンソー』にも車の中で拳銃自殺する少女役で出演されてます。(超美人)
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました!
映画『ホステル』について新たな発見があった、もう一回観たい、そう思っていただけたら嬉しいです!
では、また次回の記事でお会いしましょう~~~


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